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外皮の生み出す表現/矛盾の形態

Idea Competition

建築の外皮について考える。気候・周辺環境・内部空間に応じて外皮の分割方法・構法・材質を変化させる。それらを対立・拮抗・融和・並存といた解釈を孕む状態のまま結合させた表現をもつ住宅の構想である。
1.断熱性能の高い発泡プラスチック系断熱材と耐久性・遮音性が高い繊維系断熱材を使い分け、前者を日射量から西・南面に設けてパネル工法とし、後者を隣地関係から北・東面に設けて外壁通気工法としながら、これらの異なる面を融合する意匠表現とする。南側は日射取得を考慮して、外皮をガラスとし、室内側にもう一層ガラスを設けたダブルスキンとする。2.内部空間はこれらの外皮に応じて計画する。南側ダブルスキンによりできた中間領域は来客も利用する動線空間とする。それに合わせて玄関をホームパーティ等でも外部の人が入りやすい二方向の入口を確保できる形式とする。これらにより2Fのリビングは、視覚的、動線的により開かれた空間となる。一方1F北東側は、大壁の性質からプレイベート空間を固めるようにする。3.建築外形は高さ制限(第1種低層住居専用地域)、北側斜線、道路斜線、建ぺい率60%、容積率150%により決定される。
これらによりできた住宅は外皮の熱環境性能としてU値0.45<0.46、η値0.24<2.8で双方ともに外皮性能グレードを満たしている(以下のイメージ内説明図参照)


建築は、現在の社会状況と同様と言わないまでも、少なからず大小の矛盾を孕みうる。かつての大きな問題意識があった時期とは異なり、多数の小さな、それでも無視できないような問題が浮遊している、混乱・矛盾した現在において、それらの問いに対して無自覚に設計を行う事は難しい状況になってきている。さまざまな摩擦を排除したロマンイメージのみを主軸とすることには今ひとつ抵抗がでてきているようだ。
現在の異様にもかかわらず、異常とも言えるほどにつるつるプレーンな表情・構造をもつ都市に、様々に錯綜し矛盾した現在の問い・意識・表象を可能な限りそのまま表現するのが今の自分ができる正常な設計のあり方かと思う。R・ヴェンチューリが建築の多様性と対立性を書いたように、磯崎新が桂離宮を両義的な空間と記したように、松浦寿輝がエッフェル塔を両義性のオブジェと表現したように、これまでもある種の矛盾を孕んだ表現への着目は存在してきた。それらを愚直に真似ようとは思わないが、時代ならではの方法で刷新したいと考えた。

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虚を開く

Idea Competition

廃墟の時間を維持しながら新しい時間・空間を内包する帯状の布でできた仮設的な装置の提案。二つの異なる空間を跨ぐための軽やかな境界の設定がメイン。即日イメージスケッチのようなものだが、とりあえずサイトにONする。

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時間蓄積装置創成術

Idea Competition

0.問題意識:地域に流れる時間を都市に流れる時間の中に物質を介して蓄積させるにはどうするか。1.構築技術:地域の構築技術に基づき建築を考える。2.新しい技術:現代の情報技術を利用しこれまでは制御できなかった建築を考える。3.回路・循環:伝統的な地域の生産とモダンな都市をつなぐコネクターとして建築を考える。4.提案:これら3つの考えを統合させるため、都市におけるモノの蓄積と循環を計画し、建築と都市と地域の新しい関係を築くことを考える。----------以上のやや漠然とした考えを何とか具象化するために、都市に留まる建築とは?、その建築を構成する単位とは?、その単位を構築するための詳細とは?、その詳細を可能とする手法や材料とは?と、単位的なアプローチを前提に考えを遡行させると、小さなスケール(地域)と大きなスケール(都市)が、ある小さな単位を媒介としてフラクタルに繋がっていくような気がした。その幾重にも重なる繋がりが何かこれまでの認識とは異なる新しいモノとモノ、モノと人、人と人の関係性を生むのではないかと考えた。----------取り留めのないのは承知の上だが、確固たる実態をもった建築というより、小さな単位が分散したり、集まったりすることで、留まったり、交わったりする人とモノの新しい関係を生み出す装置のようなもとして建築の一存在形式の提案を行った。具体的な説明は省略するが、一つでも機能する単位であるアンブレラ型をユニットとし、和傘生産日本一の岐阜を対象地にマテリアルフローを考えた。

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Circulating Architecture

Project

0.問題意識:現代都市の環境問題としての石油流出事故。1.material:都市の中で大量に浪費されている資源に着目する。世界の事例を参考にしつつ、石油を効果的に吸収し、生み出されては捨てられている髪の毛を材料として考察を進める。2.component:大規模な石油流出事故に効果的に対処するための装置を考える。ヘアマットをメビウス状にねじりながら結び合わせ、吸着したオイルの重力で回転しながら回収する帯状の部材を提案する。3.calculation:都内の床屋で回収できる髪の毛の量と、コンポーネントを作成するのに必要な髪の毛の量を調査。1コンポーネントによって回収される石油の量、月間の石油流出事故による石油の量を調査。これらにより、対処に必要な髪の毛の量を算出し、倉庫に蓄えるべきコンポーネントの量を算出する。また、これまでに使われていた手法と比べて、得られる利益計算を行う。4.material flow:毎月おこる石油流出事故により得られるコンポーネントを敷地に運び込み、殺菌消毒、無臭化とともに、固化させ、エネルギーストックとして蓄積させる。その後、燃料が必要な際に再び燃料として取り出して利用する。このようにして、流出した燃料を再燃料化するマテリアルフローを構築する。5.finding form:固化されるコンポーネントを建築として利用するための形態について考える。やわらかい素材を固くするというプロセス、コンポーネントを乾燥消毒させながら固化するという条件から、重力により自然と生まれる形態を対象として考察を進め、新しい建築として表現する。6.multiple material circulation:床屋での髪の毛の供給から、装置開発、敷地での固化、再燃料化に至るまでの様々に重なるモノの全体的な循環を図示する。 ----------これはG30小渕スタジオにて行ったプロジェクトで、エコロジカルな問題提起とマテリアル設定が始点にあり、情報技術を駆使して、マテリアルを操作しながら 実験的に新しい建築を創発するエコロジカルプロトタイピングの研究である。

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